2009/11/18 (Wed) 22:32
続きにコムバク文
コムイ→バク→リナリーみたいな。
リナリーぜんっぜん出てこないけど(アレ)
愛と恋は違う。愛してると好きも違う。解って欲しいけど、人は自分の想いで精一杯だよね。
っていうのが書きたかったんだけど長くてウザイ文になってしまってよく解らない物に(笑)
フィーリングで読んで下さい。(←)
長すぎて表示されないよ!って方はご連絡下さい。
コムイ→バク→リナリーみたいな。
リナリーぜんっぜん出てこないけど(アレ)
愛と恋は違う。愛してると好きも違う。解って欲しいけど、人は自分の想いで精一杯だよね。
っていうのが書きたかったんだけど長くてウザイ文になってしまってよく解らない物に(笑)
フィーリングで読んで下さい。(←)
長すぎて表示されないよ!って方はご連絡下さい。
バクはリナリーに淡い恋心を抱いていた。彼女が歩いているだけで空気が清浄され、笑うだけで死人さえも生き返ってしまいそうだ、と本気で思えた。あの清楚な姿、優しく明るい心。彼女に惹かれる者は少なくない。
バクが初めて彼女に出会った時、彼女はまだ幼かった。色白い肌に真っ黒な頭髪がその幼い顔立ちに不釣り合いで、引き付けられるような錯覚を感じた。バクとリナリーの歳は13離れている。傍からみればバクは危うい人物と捕らえられかねない。しかし、それまで世の青年が体験し、謳歌したであろう極普通の生活をしたことがないバクにとって、それはあくまで普通の恋であり、初めて青春の一部を満喫していたのだ。
バクはよくコムイに自分はバクが好きなのだと言われた。初めて好きだと言われた後、彼はバクにとってライバルとしか認識がなかったものだから、何か裏があるのではと訝しく思った時期もあった。だが、どうやらコムイは自分を信頼できる仲間だと言っているようだとバクは考え直した。
自分の後を頼めるのはバクしか居ないと朗らかに言われたことがあった。実際、もし今コムイの身に何かが起こり、室長交代の事態に陥ったならば、確実にバクが就任することとなるだろう。しかし、それを現室長に告げられる(しかも自分がライバル視していた男から)ということに、悪い気はしなかった。少々の優越感すら覚える。
そのせいもあるのか、バク自身が疎く、リナリーへの想いで精一杯であったせいなのか。それがどれほどのものだかなんてバクは知る由がなかった。
「バクちゃん、僕君が好きだよ」
彼はバクに好きだと言ってきた。
当たり前だろう?オレ様を好かない奴なんてろくな奴ではない。この優秀なオレ様が貴様の後任で良かったな、コムイ。安心して引退しろ。
口には出さなかったがバクはフフン、と鼻を鳴らし、胸を張る。その胸に満ちる優越感。それはどこか安心にも似ていてバクは目を細めた。
「ねぇ、君が好き」
また彼は同じ言葉を紡ぐ。声のトーンが数段落ちたことにバクは気がつかなかった。
解ったよ、もう何度も聞いた。まぁ、オレ様はまだお前をライバルだと思っているがな。いや、オレ様はお前よりも何においても優れているのだ!本来ならばライバルにすらお前はなれんというのに!あぁくそ、何故オレ様はコイツに室長の席を奪われたのだろう。
本当はライバルと言いつつも、コムイの優秀さはバクが1番知っている。ただのちゃらけた奴というだけではなく、誰よりも様々な事をしょい込んでしまう質だということも。だからこその悔しさと認めてしまっている自分自身がバクのプライドを嘲笑っているのだ。
バクが思考の深淵に入り込んでしまっている間、コムイが近付いてきた。ぺたぺたとサンダルと床が触れる音がする。
「バクちゃん、好き」
しつこい奴だな!解ったと言っているだろう!
そう叫んでやろうかと苛ついてバクが振り返ると、数十センチ先まで詰め寄っていたコムイがこちらを見詰めていた。人形のように白い肌。ドイツの血が入ったバクと違って、完璧な中国人である筈だが、コムイの肌は黄色人種というよりかは白人のように透き通っていた。嗚呼、彼女の兄なのだと思い知らされる。彼女と同じ黒髪に、黒い瞳。唯一、瞳だけが丸く大きなリナリーのものとは違って切れ長でーーー。
その時初めてコムイの目がぼんやりとしている事に気が付き、バクは息を詰めた。なんだ。深い。谷底を見ているようなえもいわれぬ焦燥感が背中を駆け上がる。怒っている?疲れている?呆然としている?わからない。どうにもコムイの表情が読めなかった。
コムイの眉が寄せられる。
「君が好き」
またあの言葉。スキなのはもう解ったと言ってやりたいのに、コムイの顔を見ていると果たして自分は本当に意味が解ったのかと疑問が浮かんだ。思わず唾を飲み込もうとしたが、喉がひくつくように渇き、上手く飲み切れなかった。
コムイの眼が何を見ているのかさっぱり解らない。ただバクに向かって悲しげな顔をしている。サワリと首筋が寒くなった。ーーーそう、そうだこれは悲しみの顔だ。上手く働かなくなってしまった脳で漸く辿り着いた終着点。しかしその考えは落ち着く事はなく、逆に騒ぎ出してしまった。
なんで、コムイが悲しそうにしているんだ?
何度コムイに好きだと言われただろう。とうの昔に回数なんか忘れてしまった。数え切れないほど言われた気がする。耳に胼胝ができてしまいそうだったのに、それでも理解できていない自分に急に腹が立った。コムイの顔はそんな気分になる。
「意味わかってる?」
意味。意味なんてあるのか。
「あぁ、好きじゃダメ?」
伝わらない?
そう肩を竦め、やっとコムイが笑った。まるで自嘲するように。
解った、解ってしまった気がする。鍵を回して錠前が開くように、カチリと繋がった。それでも確証なんかなくて、解っていないフリをした。ーーー本当は思い付いた事実があまりの代物で何もアクションが起こせなかっただけなのだが。返事も動きも消えてしまったバクに焦れたのか、目だけが未だ虚ろなコムイが腕をのばす。避けるなり、はねのけるなり出来た。けれどバクの身体は動いてくれず、近付くコムイの顔を瞳に映し続けた。
「ねぇ、バクちゃん」
コムイから冷めた笑みが消えた。唇も彼女に似ている。形の綺麗な口唇がバクの名を発し、躊躇うように噛み締められた。コムイの掌がバクの二の腕を掴み、引き寄せる。
コムイがバクの耳に唇を付け囁く。
「ーーーーーーーーーー」
あぁ、きっと自分は一生この男には勝てないのだ。
知らなかった。それは自分が彼の妹に抱いていた恋情とは全く比べ物にならないほど重く、身体に想いがついていけない恐怖感。ちぐはぐだ、眩暈に襲われる。気が付けばバクはコムイの腕の中にいた。それは甘い抱擁とかそんなものではなく、力任せに締め付けられ、バクの背骨が屋鳴りのように一度パキリとなった。
目の焦点が合わない。心臓が早い。息がーーー。かは、と自分の肺から空気が抜け、情けない事に悲鳴のような声が出た。怖い。心臓が悲鳴を上げている。ガンガンと耳の裏で脈が暴れていた。抱きしめられた身体に緊張がはしる。怖い、怖い。
ふと、頬が擦り寄せられてハッとする。コムイの様子。身長差のせいでバクの肩を越した所に彼の顔がある。そんな体勢で表情が見える筈もなく、目の前にはコムイの肩と背中だけがひろがり、時折コムイの特徴的な毛先がバクの顎を擽った。
コムイは、震えていた。
抱きしめられているというより、抱き着かれているようだな。酸欠のようになった脳で必死に考える。今日の脳はフル回転だ。だが思考が回るようになったことで、恐怖感は消散してしまった。
「ねぇ、バクちゃん聞こえた?聞こえていないならもう一度言うよ?」
耳元でダイレクトに聞こえる掠れて震える声に背中が粟立つ。聞こえている、聞こえているから。ーーーー止めろだなんて舌が回らない。回せない。身体がコムイの言葉に侵されて、コムイを拒否することを拒否している。もっと聞きたいというかのように、身体に染み入った言葉に誘われるようにバクはコムイの背に手を回した。あの男が自分に震えながら囁いている。
ーーーーあぁ、きっと自分は一生この男には勝てないのだ。知らなかったよ、コムイ。
これが
「君を愛してる」
愛
バクは何も言うことができず、ただただコムイの震える力の篭った腕に締め付けられているしかなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
(想いが怖かったのは君の方。その震えている声や腕に愛しさを感じてしまっただなんて)
バクが初めて彼女に出会った時、彼女はまだ幼かった。色白い肌に真っ黒な頭髪がその幼い顔立ちに不釣り合いで、引き付けられるような錯覚を感じた。バクとリナリーの歳は13離れている。傍からみればバクは危うい人物と捕らえられかねない。しかし、それまで世の青年が体験し、謳歌したであろう極普通の生活をしたことがないバクにとって、それはあくまで普通の恋であり、初めて青春の一部を満喫していたのだ。
バクはよくコムイに自分はバクが好きなのだと言われた。初めて好きだと言われた後、彼はバクにとってライバルとしか認識がなかったものだから、何か裏があるのではと訝しく思った時期もあった。だが、どうやらコムイは自分を信頼できる仲間だと言っているようだとバクは考え直した。
自分の後を頼めるのはバクしか居ないと朗らかに言われたことがあった。実際、もし今コムイの身に何かが起こり、室長交代の事態に陥ったならば、確実にバクが就任することとなるだろう。しかし、それを現室長に告げられる(しかも自分がライバル視していた男から)ということに、悪い気はしなかった。少々の優越感すら覚える。
そのせいもあるのか、バク自身が疎く、リナリーへの想いで精一杯であったせいなのか。それがどれほどのものだかなんてバクは知る由がなかった。
「バクちゃん、僕君が好きだよ」
彼はバクに好きだと言ってきた。
当たり前だろう?オレ様を好かない奴なんてろくな奴ではない。この優秀なオレ様が貴様の後任で良かったな、コムイ。安心して引退しろ。
口には出さなかったがバクはフフン、と鼻を鳴らし、胸を張る。その胸に満ちる優越感。それはどこか安心にも似ていてバクは目を細めた。
「ねぇ、君が好き」
また彼は同じ言葉を紡ぐ。声のトーンが数段落ちたことにバクは気がつかなかった。
解ったよ、もう何度も聞いた。まぁ、オレ様はまだお前をライバルだと思っているがな。いや、オレ様はお前よりも何においても優れているのだ!本来ならばライバルにすらお前はなれんというのに!あぁくそ、何故オレ様はコイツに室長の席を奪われたのだろう。
本当はライバルと言いつつも、コムイの優秀さはバクが1番知っている。ただのちゃらけた奴というだけではなく、誰よりも様々な事をしょい込んでしまう質だということも。だからこその悔しさと認めてしまっている自分自身がバクのプライドを嘲笑っているのだ。
バクが思考の深淵に入り込んでしまっている間、コムイが近付いてきた。ぺたぺたとサンダルと床が触れる音がする。
「バクちゃん、好き」
しつこい奴だな!解ったと言っているだろう!
そう叫んでやろうかと苛ついてバクが振り返ると、数十センチ先まで詰め寄っていたコムイがこちらを見詰めていた。人形のように白い肌。ドイツの血が入ったバクと違って、完璧な中国人である筈だが、コムイの肌は黄色人種というよりかは白人のように透き通っていた。嗚呼、彼女の兄なのだと思い知らされる。彼女と同じ黒髪に、黒い瞳。唯一、瞳だけが丸く大きなリナリーのものとは違って切れ長でーーー。
その時初めてコムイの目がぼんやりとしている事に気が付き、バクは息を詰めた。なんだ。深い。谷底を見ているようなえもいわれぬ焦燥感が背中を駆け上がる。怒っている?疲れている?呆然としている?わからない。どうにもコムイの表情が読めなかった。
コムイの眉が寄せられる。
「君が好き」
またあの言葉。スキなのはもう解ったと言ってやりたいのに、コムイの顔を見ていると果たして自分は本当に意味が解ったのかと疑問が浮かんだ。思わず唾を飲み込もうとしたが、喉がひくつくように渇き、上手く飲み切れなかった。
コムイの眼が何を見ているのかさっぱり解らない。ただバクに向かって悲しげな顔をしている。サワリと首筋が寒くなった。ーーーそう、そうだこれは悲しみの顔だ。上手く働かなくなってしまった脳で漸く辿り着いた終着点。しかしその考えは落ち着く事はなく、逆に騒ぎ出してしまった。
なんで、コムイが悲しそうにしているんだ?
何度コムイに好きだと言われただろう。とうの昔に回数なんか忘れてしまった。数え切れないほど言われた気がする。耳に胼胝ができてしまいそうだったのに、それでも理解できていない自分に急に腹が立った。コムイの顔はそんな気分になる。
「意味わかってる?」
意味。意味なんてあるのか。
「あぁ、好きじゃダメ?」
伝わらない?
そう肩を竦め、やっとコムイが笑った。まるで自嘲するように。
解った、解ってしまった気がする。鍵を回して錠前が開くように、カチリと繋がった。それでも確証なんかなくて、解っていないフリをした。ーーー本当は思い付いた事実があまりの代物で何もアクションが起こせなかっただけなのだが。返事も動きも消えてしまったバクに焦れたのか、目だけが未だ虚ろなコムイが腕をのばす。避けるなり、はねのけるなり出来た。けれどバクの身体は動いてくれず、近付くコムイの顔を瞳に映し続けた。
「ねぇ、バクちゃん」
コムイから冷めた笑みが消えた。唇も彼女に似ている。形の綺麗な口唇がバクの名を発し、躊躇うように噛み締められた。コムイの掌がバクの二の腕を掴み、引き寄せる。
コムイがバクの耳に唇を付け囁く。
「ーーーーーーーーーー」
あぁ、きっと自分は一生この男には勝てないのだ。
知らなかった。それは自分が彼の妹に抱いていた恋情とは全く比べ物にならないほど重く、身体に想いがついていけない恐怖感。ちぐはぐだ、眩暈に襲われる。気が付けばバクはコムイの腕の中にいた。それは甘い抱擁とかそんなものではなく、力任せに締め付けられ、バクの背骨が屋鳴りのように一度パキリとなった。
目の焦点が合わない。心臓が早い。息がーーー。かは、と自分の肺から空気が抜け、情けない事に悲鳴のような声が出た。怖い。心臓が悲鳴を上げている。ガンガンと耳の裏で脈が暴れていた。抱きしめられた身体に緊張がはしる。怖い、怖い。
ふと、頬が擦り寄せられてハッとする。コムイの様子。身長差のせいでバクの肩を越した所に彼の顔がある。そんな体勢で表情が見える筈もなく、目の前にはコムイの肩と背中だけがひろがり、時折コムイの特徴的な毛先がバクの顎を擽った。
コムイは、震えていた。
抱きしめられているというより、抱き着かれているようだな。酸欠のようになった脳で必死に考える。今日の脳はフル回転だ。だが思考が回るようになったことで、恐怖感は消散してしまった。
「ねぇ、バクちゃん聞こえた?聞こえていないならもう一度言うよ?」
耳元でダイレクトに聞こえる掠れて震える声に背中が粟立つ。聞こえている、聞こえているから。ーーーー止めろだなんて舌が回らない。回せない。身体がコムイの言葉に侵されて、コムイを拒否することを拒否している。もっと聞きたいというかのように、身体に染み入った言葉に誘われるようにバクはコムイの背に手を回した。あの男が自分に震えながら囁いている。
ーーーーあぁ、きっと自分は一生この男には勝てないのだ。知らなかったよ、コムイ。
これが
「君を愛してる」
愛
バクは何も言うことができず、ただただコムイの震える力の篭った腕に締め付けられているしかなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
(想いが怖かったのは君の方。その震えている声や腕に愛しさを感じてしまっただなんて)
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